パナソニックグループにおいて、BtoBソリューションの核を担うパナソニック コネクト株式会社。同社はいま、激変する市場に対応すべく、組織を挙げたデータドリブンな経営・現場への変革を進めています。全社規模でのデジタルリテラシー向上を目指し、同社が2025年度から全社導入したのが「SIGNATE Cloud」でした。社内目標を大きく突き抜ける「DXシルバー合格率91%」という驚異的な成果の裏には、現場の心理に熱意を持って寄り添った事務局の丁寧なフォローアップと、データを用いたSIGNATEの伴走がありました。今回、人事総務本部 CONNECTers’ Academyの大谷さん、鈴木さんに、この熱い取り組みの舞台裏とそこから生まれた成果について、SIGNATEのカスタマーサクセスとして本研修に伴走した西野も交えてお聞きしました。(写真左から、鈴木さん、大谷さん)導入背景:全社共通の「同じ物差し」を求めて―― まず、貴社内でデジタルリテラシー研修が立ち上がった経緯を教えてください。鈴木:当時、DXに関する人材育成や施策が事業部毎に独自の取り組みになっており、全社共通の基盤として「同じ物差し」でリテラシーレベルを測ることができないという強い課題感がありました。そこで、全社統一のDX人材の育成体系を構築するに至ったのですが、最初はどのように進めるのが良いか手探りの状態でした。全社統一の育成を検討するにあたり、当社独自の基準を設けるのではなく、社会一般に通じるIPAの「DXリテラシー標準(DSS)」に準拠したいという強い思いがあり、指針に準拠する外部ベンダーとの連携を検討することになりました。大谷:私はもともと営業・企画畑におりまして、その時に「DXって面白いな、やってみたいな」と感じ、社内公募制度を利用して今の部署に手を挙げて異動してきました。現場の目線を知っているからこそ、バックオフィスである人事が横串で展開していくにあたって、現場にどうやって受け入れてもらうか、その理論付けや後ろ盾の重要性は身に染みて感じていました。選定理由:ゲーミフィケーション要素と事務局の負荷軽減が決め手―― さまざまな選択肢があるなか、最終的にSIGNATE Cloudを選んだ決め手は何でしたか?大谷:一番は、プラットフォームにゲーミフィケーション要素があり、楽しく学べる点に魅力を感じたことです。また、DXリテラシー標準に準拠している研修コンテンツが揃っていること、環境構築や初期設定が不要で私たち事務局側のオペレーション工数が比較的少なくて済むという点が大きな決め手になりました。鈴木:人事がいくら「研修を作ったぞ」と発信しても、現場の方々からすれば積極的に受けづらいものです。いかに魅力を伝えていくか苦労していたのですが、SIGNATE Cloudの仕組みは抜群でした。実は、私自身もあのスコアシステムに完全にハマってしまいまして(笑)。「あと300ポイントだから、もうちょっとやっちゃおうかな」と、夜もやめどきが分からなくなるくらいずっとやってしまったんです。↑実際の受講画面 画面右上でリアルタイムで他受講生の進捗が通知される鈴木:リアルタイムで「このニックネームの方がレベルいくつを達成しました」と表示されるので、「あ、この人も頑張っている、私も頑張ろう」と、自然と良い意味での競争意識が芽生えていきました。この楽しさが、現場の巻き込みに大きく寄与したと感じています。 課題解決:データが炙り出したボトルネックと、事務局の徹底フォロー―― 研修が始まってから、事務局としてどのようなところで苦労されましたか?大谷:今回の研修では受講だけでなく「テスト合格」までを必須としたのですが、やはり全員が一筋縄ではいきませんでした。学習進捗が思わしくない方に対する受講の促し方や、受講期限が迫ってもなかなか合格まで至らない社員が一定数いたことには非常に苦労しました。内部目標として「受講者の85%がDXシルバーを取得する」と掲げていたのですが、研修期間も残すところ1/4となった段階でも進捗は60%付近で推移しており、正直かなり厳しいかもしれないと思っていました。―― その停滞を、どのようにして乗り越えたのでしょうか。西野(SIGNATE):事務局の皆さんと伴走させていただく中で、2週間ごとに細かく進捗レポートを出して分析を行いました。その結果、社員の皆さんがどこで止まっているのか、そのボトルネックが3箇所に絞られたんです。データから見えた3つのボトルネック1. 「そもそもログインしていない」2. 「テストを受けるのが怖い」3. 「純粋に試験をまだ受けていない」↑受講生がどのフェーズで学習が止まっているか ボトルネックに対する分析大谷:その分析結果をもとに、私たちはボトルネックを解消するための「受講促進セッション」を計12回、特に年度末にかけて頻度を上げて開催しました。まだ合格にいたっていないメンバーをオンラインで集めて、「今からこの時間内で一緒にテストを始めましょう!」と案内し、時間を区切ってその場で受験してもらったんです。テストが終わった人から退室していいですよ、と。これで実際にセッションを受けたメンバーの約半分がその場で合格を勝ち取り、一気にブーストがかかりました。さらに意外だったのが、「アナウンス効果」です。「あのセッションに集められたくない!」と思ったメンバーたちが、案内を見た瞬間に自発的に頑張ってテストをクリアしてくれたんです。セッションそのものの効果と、その案内によるリマインド効果が相乗効果を生み、最後の最後で凄まじい伸びに繋がりました。成果と変化:驚異の「合格率91%」と現場に生まれた変化―― 研修を終えて、最終的にどのような成果が得られましたか?大谷:当社ではデジタルスキル標準(DSS)に準拠した3段階の独自リテラシー基準を設けているのですが、その2段階目にあたる「DXシルバー」において、目標としていた85%を大きく上回り、最終的に受講者の91%が合格を達成しました!IPAに準拠するリテラシーを持つ社員がこれだけ増え、さらに事業部ごとのDXリテラシー保有者を明確に可視化することにつながったのは本当に大きな成果です。鈴木:私と大谷の2人だけでは、到底ここまでやり切ることはできませんでした。SIGNATEの西野さんを中心に、単に学習環境を提供するだけでなく、受講データを緻密に分析してKPI達成への原動力になってくれたこと、本当に自分事のように寄り添って伴走していただいたことに心から感謝しています。また、SIGNATEさんには研修に直接関わるシステムやコンテンツの提供だけでなく、プラットフォームの枠を超えた多角的なサポートをいただける点にも魅力を感じています。例えば、私たちの「同じような課題を抱えている他社様と意見交換をしたい」という要望に対しても、すぐに最適な企業様との場をセッティングしてご支援いただきました。(※)こうした他社の生々しい事例やナレッジに触れる機会をいただけるのは非常に助かっていますし、ぜひこれからも引き続きサポートいただけると嬉しいです。(※パナソニック コネクト様が参加された意見交換会のイベントレポートはこちら) ―― 受講した社員の皆さんや、実務での変化はいかがですか。大谷:受講者からは、「ゲーム感覚で進められて達成感がある」「レベルが徐々に難しくなっていくので進めやすい」といった声に加え、「業務の効率化に直結した実践的な内容だった」という感想が多く寄せられました。効果の面でも、自分の身の回りのメンバーで、この研修をきっかけとして自発的にデータの「BI化(可視化)」などに取り組み始める社員が複数出てきています。数字を見る大切さの意識が植え付けられ、実務の変化として現れているのを実感しています。今後の展望:次なる舞台「DXプロフェッショナル」へのステップアップ―― 今後の人材育成について、展望をお聞かせください。鈴木:IPAが定めるDSS-Lのリテラシー基準で言えば、シルバーはまだ途中段階です。ゴールドを取得して初めて、リテラシー基準のスキルを完全に満たしていると言えます。今シルバーを取得して満足するのではなく、しっかりとゴールドまでチャレンジしていただきたいなと思っています。当社では、毎年5月と11月に「コネクターズサクセスマンス(コネサクマンス)」という独自の学びの月間を設定しており、期間中に15〜20のセミナーや勉強会を開催しています。その中で、実際にSIGNATE Cloudを活用して業務改革やデータ活用を成し遂げた社員に登壇してもらい、座談会を行いました。「大きなDXではなく、自分の目の前のちょっとした業務改革もDXの一つなんだ」という成功例をみんなで共有し、自律的な学習文化をさらに醸成していきます。パナソニック コネクト様の学習社内ポータル 「CONNECTers’ Academy」(引用元:https://note.connect.panasonic.com/n/n1bd64baac3a2)大谷:全社のリテラシー向上をFY26においても継続していくと同時に、今年度からは、より上位のDXスキル標準に基づいたプログラムを追加し、「DXプロフェッショナル人材」の育成体系づくりへの取り組みをスタートさせています。鈴木:当社は2023年度よりジョブ型の人事制度へ移行しており、「今はビジネスアーキテクトだけど、将来的にはデータサイエンティストを目指したい」という時に、この体系立てられた教育を活用して自分のキャリアを近づけることができます。また、「自らキャリアを築く」ことを早期に実現してもらうため、SIGNATE様にご支援いただきながら受講促進セッションやセミナーを開催しています。今後もプロフェッショナル人材の創出へ向けて全力で旗振りを続けていきます。―― ありがとうございました。全社横串の共通言語化を達成した今、パナソニック コネクト様がデータドリブンな組織としてさらに強固になっていく未来が非常に楽しみです。大谷さん、鈴木さん、インタビューへのご協力誠にありがとうございました!※掲載内容は取材当時のものです。