いち早く「働き方改革」に着手し、その活動を「業務プロセス改革」へと発展させてきたNECネッツエスアイ。自社実践を通じて培った豊富なノウハウをもとに顧客の課題を整理し、最適なDXソリューション・サービスを提案できる点を強みとしている。NECネッツエスアイでは「学び合い」というテーマを掲げ、社内の人材育成や文化醸成に取り組んでいる。DX学習のツール選定においてもその観点は重要なポイントであったが、「SIGNATE Cloud」の提供するコンペティションの機能は、非常に親和性が高いと考えて導入に踏み切ったそうだ。経営企画部 コーポレートカルチャーデザイングループでNECネッツエスアイの文化醸成に取り組む清水さんに、「SIGNATE Cloud」を選択した理由や活用方法、導入によって実感できた効果などをお伺いした。「SIGNATE Cloud」を活用して、社内で競いながら学び合う—— まずは簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか?清水:現在、私が所属する経営企画部 コーポレートカルチャーデザイングループ(以下CCD)では、会社の文化醸成にかかわる活動をしています。具体的には、会社のイノベーションにつながるアイデアを競うピッチコンテストを開催したり、エンゲージメントを高めるために会社役員からトップメッセージを発信するイベントを企画したりといった活動を行っています。CCDは、発足から4年ほどの比較的新しい部署です。「会社の文化醸成に関わることは何でもやろう」という意気込みで、新しいことにも積極的にチャレンジしています。—— 「SIGNATE Cloud」導入の決め手はどのようなものでしたか?清水:CCDでは、IT系のスキルを身につけさせるだけでなく文化醸成も目的としていて、根底に「学び合い」というテーマを掲げています。「SIGNATE Cloud」には、コンペティションを開催して受講者の中で競い合いができる機能があって、それが「学び合い」というテーマとの親和性が高いと考えました。チーム単位で参加して他者と競えるという、チームビルディング的な要素を含めながら学習を進められるところが非常に魅力的で、会社の文化醸成にも役立つと考えました。もうひとつは、実際にどのような場面で知識を活用するのか、自分の手を動かしながらアウトプットを体験できる点です。最近ではDX分野にも様々な座学系の教育コンテンツがありますが、アウトプットが体験できるようなコンテンツは案外少ないですよね。当社においても、インプット面に関しては様々な施策が検討されている一方で、アウトプット面については「学んだ内容を実際にやってみる」という実践的な学びのできる場が少なかった点が課題でした。そういった課題の解決にも「SIGNATE Cloud」の活用が有効であると考えました。DX分野の学びについて積極性やスキルが身につき始めた—— 導入から間もないですが、「SIGNATE Cloud」の導入による効果はいかがですか?清水:今年に入って、コンペティションをスタートさせました。コンペティションにはAIの予測モデルを作成するための専門知識がないと難しいので、参加者は少ないのではないかと予想していましたが、想定した以上の社員から予測モデルの提出がありました。学習は「何のために学ぶのか」「このスキルを身につけたらどんなことができるのか」といったことが実感できないと挫折してしまいがちです。「SIGNATE Cloud」の場合は、講座の中でも手を動かしてアウトプットにつなげるイメージが学習でき、さらにコンペティションという実践的な成果を競う場に参加できるので、モチベーションが維持できるのではないかと思います。その結果、受講者に実践的なスキルが身につき始めて、積極性が出てきていると感じています。また、「SIGNATE Cloud」の利用については挙手制で学びたい人を募集しているのですが、事務局側で参加者を2人1組のチームにして課題に取り組んでもらうバディ制度を導入しています。1人で取り組んでいると挫折してしまう人も少なくなかったのですが、バディ制度の効果として、これまで挫折していたような学習内容についても継続できているという声が上がってきています。初学者から専門的に高度な人材まで幅広くカバー—— 「SIGNATE Cloud」は学習ツールとして、御社でどのような位置付けにありますか?清水:CCDではスキルを身につけたい初学者や、データ分析やAI開発などに興味がある人に役立つツールとして認知されつつある状況です。現状はデータ分析やAI開発などの分野を学ぶ意欲のある人が年間300人ほど受講しているといった段階に止まっていますが、これからその裾野は広がっていくと考えています。そして、受講経験者の母数が増えてくれば、会社全体の知識やスキルの底上げにつながり、その中からより専門的に高度な内容を学習する人材が生まれてくると期待しています。—— 「SIGNATE Cloud」の学習が浸透することで今後社内に起こる変化について、どのようなことを期待していますか?清水:現状はまだ「SIGNATE Cloud」でデータ分析やAI開発などについての知識やスキルを学習しているという段階で、少しずつ裾野が広がり、学習の成果が出てきているものの、ビジネスに生かせるアウトプットにつながるのはこれからだと考えています。今後は社内のデータを活用して、課題をピックアップしたり、それをもとにお客様に提案したりといった事業や業務における実践活用へとつなげていきたいと考えています。大切なのは自社にとって使いやすいツールを選ぶこと—— 最後に「SIGNATE Cloud」の導入を検討している会社の方々に対して、コメントをいただけますでしょうか?清水:我々のような「学び合い」の文化を醸成するために「SIGNATE Cloud」を活用したいというニーズは特殊だと思いますが、ぜひそういったニーズを持つ企業様は検討してみてほしいですね。「SIGNATE Cloud」は会社の文化醸成にも役立つツールだと思います。また、「SIGNATE Cloud」導入にあたって他社さんのツールも比較検討しましたが、実践的なアウトプットにつながっていく可能性を感じたことと、コンペの機能などもあり、社員が継続して学ぶ環境を構築しやすいと考えたことが、最終的な決め手となりました。もちろん検討するうえで様々なツールに触れてみることは大切ですが、最終的には導入後に多くの社員に使われないと意味がないので、自社にとって使いやすいツールを選ぶことが大切だと思います。ちなみに、受講者へのアンケートで「研修を受講して、社内のDXの取り組みに関して意識の変化はありましたか?」という質問に対して、「DXについて興味が湧いた、知識を増やせた」「業務の効率化・高度化にDXを使っていきたい」「DX関連のスキルを向上させていきたい」といった回答の割合が高く出ました。初心者にとっても、DXに対する考え方を深めていくうえで「SIGNATE Cloud」は非常に良い教育コンテンツであったという結果が出ていますので、導入して良かったと思っています。※掲載内容は取材当時のものです。