トヨタ自動車のモビリティDXを進めるトヨタ・コニック・アルファ株式会社。「データで、ありがとうをつくる仕事」というミッションの実現に向けて、データを使ったアプローチが求められる中、2021年7月にDX基盤開発部(現:Customer Happiness Lab.)が全社向けにSIGNATE Cloudを導入している。「全社的に共通のバックボーンとなるスキルを身につけていくにあたり、集合研修だけではなく、eラーニングの形でもスキルの向上を図っていかなければならない」と話す徳田さん。フォロー機能やチャット機能、進捗状況の可視化・管理ができる機能などが搭載されており、管理者として運営がしやすいSIGNATE Cloudは、その課題解決に非常に有効であると考えたそうだ。Customer Happiness Lab.の徳田さん、大栗さん、岩佐さんの3名にSIGNATE Cloudをセレクトした理由や、導入によって実感できた効果などをお聞きした。バックグラウンドが幅広く、スキルの標準化が難しい—— 「SIGNATE Cloud」の導入を検討した背景を教えてください。徳田:弊社にはさまざまな分野の会社から出向してきたメンバーが多く、さまざまなバックグラウンドを抱えています。必ずしもデータを扱った経験が社員全員にあるというわけではなく、スキルの標準化がなかなか進まないという課題を感じています。その中で、パートナー会社から推薦を受けたことが、SIGNATE Cloud導入のきっかけでした。実際に使ってみたところ、コンペ機能やフォロー機能、チャット機能のほか、進捗状況の可視化や管理が行える機能なども備わっており、運営がしやすかったため、本格的な導入を決めています。SIGNATE Cloudは、その他のeラーニング教材と比べて、ハンズオンがベースになっている点が特徴的です。ユーザー側としては、学習した内容をすぐに課題で試し、繰り返し実践しながら学習を進められる点は、他のツールと比べても優れている部分だと感じており、今年度も引き続き利用しています。社内に共通言語「SIGNATE Cloud」を置いた効果—— 実際に「SIGNATE Cloud」を導入して感じている効果や課題感などはありますか?岩佐:最も目立っているのは、やはり受講者のスキル向上ですね。受講者に対しては毎年振り返りを行っており、スキルチェックや個別の聞き取りなども行いながら、社員のスキル向上を実感しています。良い影響で言うと、社内に共通言語を作る大切さを知れた点もありますね。弊社のメンバーの多くは出向してきていて、皆さん各分野のプロフェッショナルです。これまでずっと企画だけに携わってきた人もいれば、システム開発を専門に手がけてきた人もいます。そのなかで、社内に「SIGNATE Cloud」という1つの共通言語を置いておくことで、「お客様軸でのデータ分析」という社員に共通する視点が作れたのは大きな価値だと感じています。企画を立てる際もデータ分析の観点を含めて行えるようになったり、システム開発にしてもデータの集計・分析を前提に進められたりするようになりました。課題感としては、学習を通じてスキルを向上させられるものの、現時点で業務に転用できる機会をつくれていない点でしょうか。業務側のフローや環境などが主な妨げとなっているのですが、どうにかしたい課題ですね。例えば、初心者向けのExcelなどはすぐに業務で使用できますが、Pythonのようなプログラミング言語については、すぐに使うのは難しかったと話す受講者もいました。受講者のモチベーションを維持したり、円滑化につながるツールを導入したりなどの環境整備を進めていく必要性を感じていて、現在取り組んでいる真っ最中です。分野の垣根を超えた、全員が学べる環境づくりが大切—— SIGNATE Cloudは専門的な人材のみが受講しているのでしょうか?全体に向けて受講を推進しているのでしょうか?岩佐:社内全体に向けて希望者を募っていて、実際にこれまで多くの方が受講しています。弊社では、SIGNATE Cloud以外にも、集合研修や課題設定型ワークのような研修を実施しており、人材教育には力を入れています。全社員が分野の垣根を超えて、みんなで勉強していけるような環境づくりを今後も推進していく予定です。—— 今後の展望として、社内の受講者の方に期待することはありますか?徳田:社員に身につけてもらった分析スキルを活かせるように、より手軽に分析ができる環境を作りたいなと思っています。データガバナンスを確保したうえで分析対象のデータを扱いやすい形に整形して提供するのが大変で、初学者が実際に分析をする段階にたどり着くまでが難しく、十分に活用されていないのが現状です。—— 今後、SIGNATE Cloudに求めたいことはありますか?徳田:Pythonのようなプログラミング言語関連のスキルを身につけられるだけでなく、その前処理も含めたデータ分析の全体のプロセスをカバーできるような研修が充実すると嬉しいですね。岩佐:SIGNATE Cloudの管理者からは受講者の学習進捗状況や、スキルチェック機能などが充実していますが、例えば受講を促すリマインド機能など、それぞれの受講者に対するフォロー・連絡がよりスムーズにできる機能があれば良いなと。今後さらなる進化に期待したいですね。機械学習のスコアを競うコンペを開催し、スキル向上に成功—— SIGNATE Cloudで身につけたことを生かして、社内で推進していることはありますか?大栗:さまざまありますが、例えば、頑張った人に対して表彰を行っています。これは初年度の取り組みですが、上級レベルの習得を目指してもらうべく、勉強会や質問コーナーを設けながら機械学習のスコアを競うコンペを開催し、その年末には取締役から表彰を行いました。私自身コンペに参加しており、コンペを通じてスキルを向上できました。加えて、コンペ参加者と相談し合ったり、悩みを共有したりすることで、部署の垣根を超えて仲良くなることもでき、面白い経験でした。このようなコンペやイベントは、今後またやりたいなと考えているところです。初学者も中・上級者も、全員が活用できる育成ツール—— SIGNATE Cloudの導入を検討されている企業の方々に、お1人ずつメッセージをいただけたらありがたいのですが、よろしいでしょうか?岩佐:SIGNATE Cloudは、「データ分析やDX推進のきっかけになるツール」という位置付けが強いと思います。身につけたスキルをどのように業務で活用するのかを考えてから導入すれば、人材教育もスムーズに進みやすくなるのではないでしょうか。大栗:ただSIGNATE Cloudには無料期間がありますから、計画がしっかり定まっていない段階の組織でも、気になっているのであれば試しに使ってみるのがオススメです。担当部署の人間が1人でも2人でも良いのでまずは触ってみつつ、運用方法や人材教育の目的を並行して考えていくのが早いと思います。徳田:SIGNATE Cloudにはカリキュラムが豊富にあって、初心者の方でも取り組みやすいですよね。ある程度データ分析に触れたことのある人が、AIやディープラーニングなどの領域にステップアップしていくうえでも役立ちますので、さまざまなバックグラウンドをもった人の集まる組織に最適だと思います。昨今、DXを推進できる人材を確保・育成する重要性が叫ばれています。この流れに応じてSIGNATE CloudでもDX推進に役立つ新たなカリキュラムが続々追加されていくと思います。弊社としても、引き続きSIGNATE Cloudを活用して社員教育を進めながら、カリキュラムの拡充を期待しております。※掲載内容は取材当時のものです。