製薬業界におけるDX人材育成の重要性がますます高まる中、2024年11月5日(火)に東京で『製薬業界におけるDX人材育成担当者交流会』が開催されました。株式会社SIGNATE(以下、SIGNATE)が主催するこの交流会には、DX推進の最前線を担う製薬会社11社から18名が集結し、活発な情報交換が行われました。各社の具体的な施策や課題、成功事例について熱心な議論が交わされ、DX人材育成への取り組みがまだ初期段階にある企業にとっても、重要な学びと刺激を得る場となりました。<参加企業>※50音順エーザイ株式会社大正製薬株式会社大鵬薬品工業株式会社中外製薬株式会社日本新薬株式会社ほか主な議論テーマ今回の交流会では、2~3社ずつのグループに分かれ、ローテーション形式でメンバーが入れ替わりながらディスカッションを行いました。SIGNATEのメンバーも各グループに参加し、各社の具体的な育成プランや現場での課題、実践的な成功事例などが共有され、大変活気に満ちた議論が展開されました。1. DX人材のスキル・ロール定義各社がDX人材のスキル・ロールをどのように定義し、育成計画をどう設計しているかについて議論しました。すでにスキル・ロール定義を終え、育成計画が進む企業には、取り組み中の企業やこれから取り組む企業の担当者から多くの質問や相談が寄せられました。同じ製薬業界で事業を行っていることから、共通の課題を抱える企業も多く、先行する企業間でも一歩踏み込んだ意見交換が行われました。2. 社員の学習モチベーション維持・向上DXの知識・スキル習得を社員がどのように自分事として捉え、特にデジタルに直接関わりの少ない部門の社員の理解をどう深めるかについて、各社の取り組みが紹介されました。多くの企業が「社員の学習意欲向上」に悩んでおり、他社の施策に真剣な質問が相次ぎました。また、学習をキャリアパスとどう結びつけ、単発ではなく継続的に学びを深める環境をどう整備するかについても、各社のプログラムや認定制度に基づいた充実した議論が展開されました。3. 業務接続や成果可視化などの出口戦略「学びと実務の接続」及び「人材育成の成果を可視化する方法」は、各社で試行錯誤が続くテーマです。各社が取り組むべき方向性として、スキルを活かせる業務へのアサインや、スキル習得機会の提供拡大について、経営層や現場マネジメントの理解をどう深めていくかが議論されました。また、業務とのバランスの中で学習時間をどう確保するかについても多くの意見が交わされ、各社の事情に合わせた解決策が模索されました。<参加者の声>ご参加いただいた担当者からは、さまざまなご意見・ご感想が寄せられました。その一部をご紹介します。「DX推進における同じ課題を共有する他企業の担当者と直接話す機会は貴重で、特に課題への具体的なアプローチが学びになりました。」「保守的な業界だからこそ、他社との横断的な繋がりを築けたことが非常に新鮮で、今後のDX推進にも大いに役立つと感じました。」「製薬業界に特化したDX人材の育成に関する交流の場は初めてだったため、今後もこのような場を継続していただけるとありがたいです。」「イノベーション創出や生成AIの活用など、次回以降はテーマごとに深掘りしたディスカッションができるとさらに面白いと思います。」「議論を経た後、例えば半年後や1年後に、お互いの進捗確認の場があると良いと思いました。」まとめと今後の展望今回のイベントは、DX推進を担う担当者同士のネットワークを広げ、業界全体のDX推進を加速させる貴重な機会となりました。DXの推進や人材育成は、多くの企業にとってまだ手探りの段階であり、ときに孤独な挑戦と感じられることもあります。こうした同じ課題に向き合う担当者が集い、互いに学び合える場の重要性を改めて感じました。日本におけるDX推進と人材育成は、まだ始まったばかりです。各社が社内のナレッジ不足という問題を抱えながら施策を進めている状況で、多くの企業にとってDX推進の体制づくりが急務です。このような課題に対し、SIGNATEは「競争領域」と「協調領域」を分け、業界全体で共有すべき知見を「共通知」として広く展開することの重要性を強く認識しています。今後もSIGNATEでは、製薬業界にとどまらず他業界や異なるテーマを取り上げ、DX推進に関わる多くの方が参加できる場を設ける予定です。また、DXの専門家によるワークショップや他社の実践事例を紹介するセッションを通じ、実践的な学びを提供します。さらに、1年後、2年後には、参加者同士が進捗や成果を共有し、共に成長を支え合える場も整備し、持続的なサポート体制を構築していきたいと考えています。SIGNATEは、企業間の協力体制を築き、日本のDX推進を実現するための『架け橋』となることを目指しています。DX人材育成に関心のある企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ともに、日本のDX推進を次のステージへ進めていきましょう。お問い合わせはこちら