最近、我が国ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)が活発に議論されています。これに伴い、企業においても、成長・存続していくためには、DXを推進していくことが急務になっています。これからDXを推進する立場にあるリーダーや担当者は、企業の現状を正確に把握し、課題をスムーズに解決していくためにも、DXに関連するテクノロジーやマネジメント方法について、特定のスキル・知識が必要です。こうしたスキル・知識を身につけるための手段の一つとして、「+DX認定資格」取得への挑戦が挙げられます。+DX認定は、ビジネスパーソンが本来持っている知識・能力の「+α」に位置するDX関連の知識・体系の理解度、つまりDX推進の基礎的なスキルを測る資格試験です。本記事では、+DX認定とはどういった資格なのか、試験のスケジュールや難易度、学習方法と併せて分かりやすく説明します。+DX認定とは?+DX認定とは、DXの実践に求められる知識・スキルを認定する資格のことです。「IoT検定制度委員会(※)」により実施・運営されています。試験に合格することで、DX推進にあたって実践的な知識・スキルを持っていることが証明されます。昨今は、企業や組織においてDX推進に必要なスキルを求められることが増えているため、就職や転職、スキルアップなどに大いに役立つでしょう。試験合格後には認定証が発行されるため、自身のスキルアップに必要なレベルを確認できるうえに、スキルの外部への提示を目指して受験することも可能です。※複数の業界団体・企業・有識者からなり、IoT/M2M等の技術やマーケットについての知識やスキルの可視化をし、ひとつの指標としてIoT検定を行う団体参考:IoT検定制度委員会「+DX認定とは?」+DX認定の概要と出題範囲本章では、+DX認定資格取得のための試験概要と出題範囲について順番に解説します。概要下表に、+DX認定試験の概要をまとめました。受験を申し込む前に、しっかりと確認しておきましょう。正式名称+DX認定試験(オンライン)試験方法CBT 四肢択一試験時間40分出題総数40問(5カテゴリ×8問)評価方法合否(80%以上の正解で合格)認定方法合格者には+DX認定証明書を発行 ※ブロックチェーンによる電子証明書を発行開催時期通年受験可能受験料金8,800円(税込)能力基準・DXについて理解できている・DX推進のユーザーとしてプロジェクトに協力できる・DX推進の役割として担当者や推進メンバーを担える出題範囲下表に、ビジネスの分野における出題範囲をまとめました。カテゴリ補足出題の割合①革新性・創造性DX、イノベーション、スタートアップ、リーン手法20%②実現性・計画性DXを推進するための考え方やプラン、実現するアイデアや構築システムの提示、PoC(概念実証)20%③生産性・付加価値DX推進にあたって求められる技術やサービス(例:IoT、AI)の導入、デジタル化した場合に想定される生産性・原価・人的レベルの考え方20%④継続性・人材育成DX推進に関わるビジネスの継続性や仕様変更などの可変性、不確実な未来への対応、DX推進人材を育成する考え方や手法20%⑤共創・顧客視点社内外の連携、パートナーとの共創意識、コンセンサス、顧客の価値に立脚した視点からのプロダクト開発20%+DX認定のスケジュール+DX認定試験はオンラインによるWBT形式で開催されるため、オフラインの試験会場は用意されていません。自身のスキルアップに合わせて、いつでもどなたでも・前提条件なしに受験でき、再受験も何度でも認められています。また、試験後はすぐに合否が発表されます。合格するとデジタル証明書(PDF)と「+DX合格ロゴ」が発行され、すぐに外部への証明書として活用可能です。+DX認定の受験方法+DX検定試験を受験する際は、「Certified Professionals Center」の受験者用ページから利用者登録を行う必要があります。受験者用ページの「登録を行う」から利用登録を行うと、ログインできるようになります。ログインしたら、上部メニュー「本試験」の「申込可能試験一覧」から、「+DX検定試験」に申し込んで、「申込済試験一覧」から試験を開始しましょう。参考:Certified Professionals Center+DX認定の難易度主催者であるIoT検定制度委員会は、「+DX認定資格」をDX推進にあたって最初に受験する認定資格として位置付けています。ただし、+DX認定試験の過去問は公開されていないうえに、合格者の数や割合も非公表となっているため、実際の合格難易度は不明です。その代わりに、試験範囲や試験のレベルを知りたいという人のために、主催者によって模擬試験が準備されています。模擬試験を受けることで、本番の試験と同じ出題範囲・レベル・出題形式をチェックできるため、事前に活用すると良いでしょう。模擬試験を受けるためには、+DX認定ランディングページ内の「今すぐ模擬試験(無料)に申し込む」ボタンから申し込みを行います(申し込みにあたっては、メールの登録が必要です)。模擬試験の問題が表示されますので順番に解答していき、最後に「スコアを表示する」ボタンを押すと自分のスコアと正解が表示されます。ちなみに、DX推進に役立つ試験は、+DX認定試験以外にも様々なものがあります。以下の記事では、DX推進にあたって取得をおすすめする14の資格をまとめていますので、併せてご覧ください。DX資格14選!DX推進に役立つおすすめ資格を紹介参考:IoT検定制度委員会「+DX認定ランディングページ」+DX認定の学習方法主催者は、+DX認定試験の合格に近づくための受験準備として「IoT検定制度委員会+DX認定プロジェクト」のメンバーが推奨する書籍・参考書や各メディアから提供されている模擬問題・試験対策情報の参照および、各業界団体や教育会社の研修講座などの受講を提案しています。公式HPで具体的な出題参考資料も確認できるので、学習の参考にすると良いでしょう。そのほか、DXの実践に求められる知識を習得する方法としては、DX教育サービスの活用も効果的です。例えば、実践的な学びによってDX推進人材の育成・発掘を行うサービスとして『SIGNATE Cloud』をおすすめします。『SIGNATE Cloud』は、全社的なDXリテラシーの底上げから、DX推進人材の発掘・育成、AI実装に至るまで、企業・組織のデジタル変革を包括的にサポートするDX教育サービスです。プログラミングの基礎から業務に直結する実践的なスキルの習得まで、幅広い視点から企業・組織のDX推進をサポートしています。「どのようにしてDXを推進すれば良いか分からない」「社員の実務に直結するDX教育を実施したい」というお悩みがあれば、ぜひ『SIGNATE Cloud』の導入を検討してみてはいかがでしょうか。お問い合わせはこちら参考:IoT検定制度委員会「+DX認定資格 出題資料」2021年10月8日現在まとめ+DX認定とは、ビジネスパーソンが本来持っている知識・能力の「+α」に位置するDX関連の知識・体系の理解度を測る資格試験のことです。試験に合格することで、DX推進にあたって実践的な知識・スキルを持っていることが証明されます。また、試験合格後には認定証が発行されるため、自身のスキルアップに必要なレベルを確認できるうえに、スキルの外部への提示を目指して受験することも可能です。現在DX推進に携わる仕事を担当している人や、今後DX推進に携わりたいという人は、DX推進にあたって最初に取得する認定資格として、+DX認定資格の受験を検討してみてみるのも良いでしょう。